石巻駅前エリア | キュレーター:中沢新一

ザイ・クーニン、大崎映晋、山内光枝、中沢新一

ざいくーにん、おおさきえいしん、やまうちてるえ、なかざわしんいち

ザイ・クーニン
1964 年、シンガポール生まれ。ザイは数十年間にわたり、彫刻、インスタレーション、絵画、実験音楽、ビデオ、映画、パフォーマンス、ダンス、舞台など様々な表現媒体を用い、既存のカテゴリーにとらわれない創作を続け、分野横断的かつ即興的なアートを実践してきた。現在、彼は東南アジア地域においてもっとも多才なアーティストのひとりであり、またシンガポールにおける前衛アートの最前線にいる。
ザイは 1989 年にラサール・カレッジ・オブ・アーツのセラミック彫刻専攻を卒業したのち、身体に対する関心から「拷問される身体」を主題としてきた。同時に彫刻、音、パフォーマンスの間にある可能性を探求し、蝋を用いた作品も制作。1997 年の作品「The Body」はニューサウスウェールズ・アートギャラリーでフランシス・ベーコンやエゴン・シーレといったヨーロッパの巨匠とともに大規模な展覧会「BODY」で展示された。
ザイの関心はその後、東南アジアの儀式に関する身体動作と言語に及んでいく。シンガポールと日本でもパフォーマンスを行い、コントラバス奏者兼作曲家の斎藤徹と舞踏家である故・元藤燁子らと共演を果たしている。2001年には、マレー文化、特にリアウ諸島の原住民「海のジプシー」と呼ばれるオラン・ラウトについての研究を進めていくようになる。

大崎映晋
1920年群馬県生まれ、2015年没。水中写真家、水中考古学者、海女文化研究家。中央大学経済学部卒業、東京藝術大学油絵画科中退。1938年、トレジャー・ダイバーの第一人者片岡弓八に師事。海軍水路部勤務などを経て、1952年、日本初の報道写真家と言われる名取洋之助に師事。同じ門下に土門拳、木村伊兵衛、東松照明らがいた。日本画の中村岳陵に師事し「読売アンデパンダン展」において金賞を獲得。作品《天城三山》は読売新聞社主の正力松太郎が買い上げた。1958年、茨城県東海村に日本初の原子力発電所が建造される際に潜水調査班の責任者に就任した。水中写真家として『日本の海女』(1957年)、映画『青い海底大陸』(1974年)、『海の百科事典』(1976年)など国内外の映画の水中撮影を数多く手掛ける。1990年、ライフワークであった『世界水中考古学事典』を脱稿。

山内光枝
1982年福岡生まれ。ロンドン大学ゴールドスミスカレッジBA Fine Art卒業。2010年頃に裸の海女が佇む一枚の古い写真と出逢い、それまで抱いていた日本人像や人間像が溶解していくような衝撃を受ける。その後現在にいたるまで、主に黒潮・対馬暖流域の浦々で滞在を重ねながら、海を基点とした人間や世界のあらわれを母胎に、表現活動を続けている。2013年済州ハンスプル海女学校(韓国・済州島)を卒業し、素潜り水中撮影を体得。2015年文化庁、2016年国際交流基金の助成を受けミンダナオ沿岸(フィリピン)を中心に滞在制作を行い、フィールドを海洋アジアへと広げる。2018年、鬱陵島(韓国)と新潟の両沿岸地域で滞在制作した作品を「水と土の芸術祭2018」(新潟市)で発表。2019年、近年の活動の原点である玄界灘で制作した長編映像『つれ潮』が、第10回座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルに入賞。

中沢新一
1950年、山梨県生まれ。思想家・人類学者。明治大学野生の科学研究所所長。インド・ネパールでチベット仏教を学び、帰国後、人類の思考全域を視野に入れた研究分野(精神の考古学)を構想・開拓する。著書に『チベットのモーツァルト』『アースダイバー』『カイエ・ソバージュ』シリーズ、『芸術人類学』『野生の科学』ほか多数。日本の各地における歴史や文化の生成を人文科学と自然科学の両観点から解き明かそうとする試みである「アースダイバー」プロジェクトや展覧会の監修など、多岐に渡る活動を展開している。

海に開く

石巻駅前エリア  | A1

魂の原郷につながる旅の入口

Installation view: Zai Kuning, Dapunta Hyang: Transmission of Knowledge,
Singapore Pavilion, 57th International Art Exhibition - La Biennale di Venezia, 2017 © Zai Kuning, Courtesy of Ota Fine Arts, Shanghai/Singapore/Tokyo

海に開く

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魂の原郷につながる旅の入口

「かつて南の海域にスンダランドという巨大な大陸があった。そこには数万年前から人 類が住みつき、狩猟と採集による豊かな文化を築いていた。スンダランドはアジア人にとっての魂の原郷であり、そこから四方に散らばっていった。氷河期が終わって地球の 温暖化が進んで海水面が上昇すると、長い時間をかけてスンダランドは無数の群島を残して大半が海に沈んでしまった。そのとき多くの人々が海への脱出を敢行した。南の海域に海民として新しい生活の場所をみつけた人々も多かったが、なかには黒潮に乗ってはるばる日本列島にたどり着いた人々もいた。この人たちが列島に縄文文化を花開かせた。縄文はそののちの日本人と日本文化の基礎をつくった。だから私たちの魂は今も南の海域に向かって開かれているのである。日本人は黒潮をつうじて、海に沈んでいまはもう見えなくなってしまったスンダランドにつながっている。その黒潮が金華山の沖を滔々と北に向かって流れ続けている」(中沢新一)

制作年:2019

企画:中沢新一  会場構成:フジワラテッペイアーキテクツラボ/FUJIWALABO  協力:株式会社 自由国民社、オオタファインアーツ
鑑賞可能時間
10:00~17:00(16:30最終受付)
作品の場所
石巻駅前
オフィシャル
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