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STATEMENT

『鹿のゆくえ』を想像する

キュレーター:豊嶋秀樹

Reborn-Art Festival 2019(以下、RAF2019) では、牡鹿半島に7つのエリアにおいて、各エリアを担当するキュレーターがそれぞれにエリアテーマを設けて企画しました。

その1つである小積エリアは、牡鹿半島の真ん中あたりに位置する、湾奥の穏やかな海と山に囲まれた一帯です。そして、小積エリアでの展示の中心となった場所には、狩猟で仕留めた鹿を解体し、食肉として処理加工する施設『フェルメント』があり、“獣害問題” が深刻化する鹿の駆除を進めるとともに、その鹿を地域資源として大切に活かすべく活動しています。

その『フェルメント』の運営を仕切る食猟師・小野寺望さんとの出会いが RAF2019 の小積エリアのエリアテーマとなった「鹿に導かれ、私たちを見るとき」という物語の始まりでした。

2019年の会場となった牡鹿半島・小積エリア

実際の展示では、小積エリアにある鹿肉処理場を取り巻くように、アーティストたちによる小さな集落が出現しました。 私たちは、象徴的存在(または比喩的存在)としての「鹿」に導かれ、アーティストたちの作品をとおして、自然界側の物語から見える世界をめぐるかのような体験をしました。 私たちはそこで、「鹿」を道先案内人に「私たちではない」側の目線や意識へと旅します。 そして、展示を見終え、再び私たちの世界に戻ったとき、そこがもとの私たちの世界ではないように感じたかもしれません。 それは、新しい視線によってとらえ直された「鹿たちの世界に含まれた私たちの世界」なのでしょう。 抽象的な表現になってしまいましたが、これが RAF2019 のときの小積エリアでのコンセプトでした。
具体的には、淺井裕介、在本彌生+小野寺望、坂本大三郎+大久保裕子、志賀理江子、津田直、堀場由美子の6組のアーティストたちが『フェルメント』やその周辺、そして展示のために仮設された個々のプレハブなどに作品を展開しました。 その景色はまるで、鹿に導かれてできた、出会うことのなかった小さなコミュニティーのようでした。

RAF2019 は会期を終え幕を閉じましたが、小積エリアで始まった時間は止まることなく、それぞれの物語の続きを編んでいるようです。

ひとときの間、小積エリアの住人となったアーティストたちとその作品は、『フェルメント』や小野寺さんと個々にやりとりを続けたり、立ち寄ったりしながら、ゆるやかなつながりを現在進行形の関係性として深めています。

そして、きっと牡鹿半島の鹿たちも。
RAF2019 からのこの時間の継続性を共有できるような場を設けられたらと思いました。しかし、新型感染症の拡大や豪雨や台風などの自然災害のある中で、牡鹿半島や小積を自由にたずねることは難しくなっています。 特に、コロナ禍におけるイベントの開催は繊細な注意が必要であり、不確定な要素も多く簡単にはいきません。

そこで、今回は実際の展示やイベントは行うことなく、
ウェブサイトなどのオンラインの場でみなさんと共有したいと思います。

アーティストたちは、それぞれのカタチと関係性で RAF2019 以降の時間を継続しています。 そのあり方を反映し、ウェブサイトへのアップについてもアーティストごとの方法やタイミングで行われます。 また、オンラインで行うプロジェクトのメリットとして、遠方にお住いの方や外出を控えられている方にも同じようにプロジェクトを体験していただけるという面もあるでしょう。

オンラインでのプロジェクトを楽しみながら、みなさんも「鹿のゆくえ」を想像してみてください。 牡鹿半島へ意識を飛ばしてみてください。 ここではない時間が今もそこに確かに流れていることを感じます。 私たちはいつでもどこでも自由にイマジネーションの旅ができます。

それはアートの大きな力のひとつなのです。
小積エリアキュレーター
豊嶋秀樹 / Hideki Toyoshima
1971年、大阪府生まれ。 1998年 graf 設立に携わる。 2009年より gm projects のメンバーとして活動。 作品制作、展覧会企画、空間構成、ワークショップなど幅広いアプローチで活動している。 これまでの主な仕事に、「押忍!手芸部と豊嶋秀樹『自画大絶賛(仮)』」(2011、金沢21世紀美術館)でのコラボレーション、「三沢厚彦 ANIMALS」(2011−2015)、「あいちトリエンナーレ」(2010、愛知県美術館)、「新次元・マンガ表現の現在」(2010、水戸芸術館、茨城/韓国/ベトナム/フィリピン/国際交流基金)での空間構成、「KITA!!: Japanese Artists meet Indonesia」(2008、インドネシア/国際交流基金)でのキュレーションなどがある。 また、奈良美智とのコラボレーション、YNGの中心的人物として「奈良美智+graf A to Z」(2006、青森)をはじめとして世界各地で開催されたプロジェクトに参加した。2015年には編著書『岩木遠足 人と生活をめぐる26人のストーリー』を刊行。

ABOUT FERMENTO

フェルメントについて

FERMENTO は、RAF のオフィシャル施設として2017年に牡鹿半島の小積エリアにできた鹿肉解体処理施設。鹿猟師の小野寺望(Antler Crafts 主宰)が運営し、人々が集まって感性を磨く場所となっています。

温暖化や人口減少によって鹿の生息数が増加傾向にあったなか、東日本大震災による被害の影響で短期間で大幅に人口が減ったことで、石巻市の鹿の個体数がさらに増え、生息域が広がりました。 このように多くは人間を原因とする理由によって増えてしまった鹿は、生態系や森の保全などを目的に、害獣として単に駆除されていました。 こうして駆除されるだけだった鹿の命を少しでも循環させるため、RAF2017 の食のプロジェクトとして設立されたのが FERMENTO。 現在は駆除によって捕獲された鹿を受け入れ、解体処理し、食用に適するものは精肉に加工し、販売する施設として、RAF の一環で運営されています。

そして、この施設を運営するのが、鹿猟師の小野寺望。やむなく仕留めることになってしまった鹿を食肉として活かすため、的確な処理を行うほか、周囲にビオトープ(動植物の安定した生息空間)を整備し、料理人やアーティストが集まって感性を磨く場所をつくっています。

小野寺望のメッセージ
牡鹿半島は、急峻な山と海が複雑に入り組んだリアス式海岸が、豊かな生態系を育んできました。 私はこの地で20年以上、石巻猟友会の仲間とともにシカの狩猟を続けてきました。 狩猟とは生き物の目で世界を見ることに通じます。 そして当たり前のように感じてきた美味しさ、豊かさ、心地よさの感覚が、生き物の目を持つことで変化していきました。
鹿一頭、草木一本。 野生の生命をあますところなくいただき、暮らしを豊かに営む。 その智恵と生きる術(すべ)は、自然と共生するために大切な優しさと強さを私たちに与えてくれるはずです。

OUTLINE

開催概要

Reborn-Art Festival 2021-22
— 利他と流動性 —

【 会期 】

オンライン : 2021年1月6日(水) 〜
夏 : 2021 年 8 月 11 日 (水・祝) ~ 2021年 9 月 26 日(日)
春 : 2022 年 4 月 23 日 (土) ~ 2022年 6 月 5 日(日)
※会期中メンテナンス日(休祭日)を設けます。

【 メイン会場 】

ー 夏 ー
2021年
石巻市中心市街地
牡鹿半島(桃浦、荻浜、小積浜、鮎川、and more...)

ー 春 ー
2022年
石巻地域

【 主催 】

Reborn-Art Festival 実行委員会
一般社団法人APバンク

【 助成 】

文化庁 国際文化芸術発信拠点形成事業

この情報は2021年2月18日時点のものです。
新型コロナウイルスの影響等でやむを得ず変更する場合があります。
あらかじめご理解をいただければと思います。
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