Reborn-Art Festival

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鹿のゆくえ
交信・声なき声を聴くためのレッスン
血を受け取る
淺井裕介

これは Reborn-Art Festival に参加した後に、
これまで素材として向き合ってきた、
マスキングテープ、現地の土、小麦粉、
道路用の白線に次ぐ第5の素材、
「鹿の血」との出会いの記録です。
テキスト、記録写真と制作物の作品の写真、
動画などを此処で公開します。

1 — その日の日記

2019年11月15日 晴れ

石巻牡鹿半島7時集合
小野寺さんと鹿猟へ 野生の鹿から血液をペットボトルに約6本分採取

猟犬3頭を使った広範囲のグループ猟、 午前午後と参加させてもらう、 一見多そうに見えても実際に引き金を引ける条件のそろった狩場は限られており雑巾を絞るようにして博打のように猟をしているんだよという小野寺さんの言葉が耳に残る



自分たちの持ち場に移動して 10km ほど先で犬を放ち GPS で犬の動きを読みつつ細かく移動を繰り返す、 秋の山は落ち葉でおおわれており、 息を殺し音を立てぬように歩くのが難しい、 普段よりも枯れ葉を踏む音が大きく聞こえる、 持ち場についてじっとその時を待つ、 緊張で時間はすごいスピードで流れていく、

銃声

自然と人との駆け引き、 さっきまで野を駆け巡っていた命は 瞬間、 枯葉の上に横たわる

即死





見あげると真っ青な青空にさっきまでいなかった沢山の鳥たちが弧を描いて飛んでいる、 縁起がいいんだよとライフルの中から取り出された薬莢をもらう。 鈍い金色のそれは楽器のようにも見える、 それを握りしめ森の中で目を閉じると作るべき形が浮かぶ、 彫刻に埋め込むイメージ、 ポケットに大事にしまう。 肉を美味しく食べられるようにと首の急所を貫かれた鹿は目の前で見事な手さばきで皮をはがされ解体されていく、 独特な匂い、 その際むやみに血は流れず、 各部位に分けられて次ぎ次と取り出されていく肉は真っ赤で宝石みたいに輝いて見える、 大きな血管を見つけ出しそこをナイフで切るとちょろちょろと血が流れ出す、 後ろ足を持ち上げてもらい流れ出るそれを漏斗をさしたペットボトルに流し込んでいく、 プラスチック越しに伝わる温かい血液。 心臓が取り出されそれを猟犬が美味しそうにバキバキ食べる、 引き継がれていく野生。 解体の現場、思っていたよりも血だらけにならないのだなと思いつつも、 実際に目にする出来事は驚くこと以上に納得があり、 学びがある。 山の歩き方、 チームで動くこと、 犬たちとの交流、 命の在り方、 手触りと臭覚、 森の中の決意と約束。

自分はいつか血で描くんだろうなと奇妙な覚悟をしてから18年、 それが人の血でなかったことにまず感謝しつつ、 このタイミングで血で絵を描けることに心が震えてるのがわかる。


OUTLINE

開催概要

Reborn-Art Festival 2021-22
— 利他と流動性 —

【 会期 】

オンライン : 2021年1月6日(水) 〜
夏 : 2021 年 8 月 11 日 (水・祝) ~ 2021年 9 月 26 日(日)
春 : 2022 年 4 月 23 日 (土) ~ 2022年 6 月 5 日(日)
※会期中メンテナンス日(休祭日)を設けます。

【 メイン会場 】

ー 夏 ー
2021年
石巻市中心市街地
牡鹿半島(桃浦、荻浜、小積浜、鮎川、and more...)

ー 春 ー
2022年
石巻地域

【 主催 】

Reborn-Art Festival 実行委員会
一般社団法人APバンク

【 助成 】

文化庁 国際文化芸術発信拠点形成事業

この情報は2021年2月18日時点のものです。
新型コロナウイルスの影響等でやむを得ず変更する場合があります。
あらかじめご理解をいただければと思います。
最新情報は随時当ウェブサイトをご確認ください。